東日本大作戦
震災復興を巡って日本が大騒ぎしている。実は大騒ぎしているのは政府と国会だけで、被災者も支援者もいい加減に白けてきた。政府や役所は余り頼りにならないとばかり次々と自力復興を始めているようだが、それにしても日本人、とくに東北人は我慢強く忍耐力がある。さすが「おしん」の故郷は違うと思う。
日本の歴史には今回の震災以上の国難が何度もあって、そのたびに歴史の裏側には庶民が歯を喰いしばって国難を乗り越えてきた事実があるはずだ。60年前にも想像を絶する国難があったが、私たちはそれを忘れかけている。
1945年東京、川崎、横浜、名古屋、大阪、神戸、広島、長崎の主要都市は原爆二発を含む爆撃で壊滅状態になり、100万人近い犠牲者を出している。それも天災ではなく敵国アメリカの手によって。私は未だ幼かったが親たち世代は我慢強かった証拠に、私は一度も愚痴を聞いたことがない。そして見事に世界二位の大国に復興させてしまった。私たちは今、先人に見習わなければならない。
壊滅状態に陥った東北地方を、世界一の福祉社会に復興させる手はないものかと、賞味期限が切れかけた頭で考えてみた。災い転じて福となす逆転の発想である。名付けて<Change from East Japan 東日本大作戦>である。
壊滅状態になった東日本のゴルフ場を復興させて、世界一の福祉村にする構想だ。ゴルフは英国に発祥し、米国で隆盛し、日本で荒廃したと言われている。だったら荒廃した後地を耕して新しいタネをまいてみようではないか。別名:常識破壊大作戦としよう。作戦の構想は次のようだ。
ゴルフコースの周囲に仮設住宅を誘致してゴルフビレッジを造る。山の中にあるゴルフ場環境をフルに生かして自給自足体制を目指す。クラブハウスを村の公民館とし、ITインフラを整備して医療、教育、学習、情報、娯楽、購買など外部サービスを充実させる。コース周辺に農園、菜園、牧場、ファクトリーを開き高齢者の生甲斐事業を行う。もちろん電気、水も最大限に自給自足を目指し余剰が出れば事業化する。
作戦の本命はここからだ。ゴルフビレッジは最高のゴルフ環境を備えていなければならない。好きなときに好きな人と好きなだけゴルフが堪能できなければ理想郷にならない。村のコースは広場というより人間解放区でなければならないから「金がかかる、気を使う、制約が多い」のはゴメンだ。学生時代のクラブサークルのように勝手気ままに顔を出して、ゴルフ仇がいたら捕まえて、日が暮れるまで夢中で遊ぶ。かつて米国パインハーストにゴルフビレッジの原形を見たが、とうとう東日本に実現のチャンスが訪れたようだ。