ゴルフの開国
いま世の中がにわかにTPPと騒がしくなってきた。グローバル化が進む中、貿易の自由化を進めて物資やサービスが自由に取引できるようにしようということで、私たち庶民からすれば「えっ!いまさら」という気がする。総理大臣も「平成23年を開国元年にしよう」といって拳を振りかざしているが、昨年一年間にわたって大河ドラマで幕末明治維新の姿を観てきた私たちは、「えっ!いまさら開国?」という素朴な疑問が湧いてくる。
そういう私も新年早々「2011年をゴルフ開国元年にしよう」とネット上で力説したものの、ほとんどの人が「えっ!いまさら」と思ったかもしれないという不安が起きてきた。高度情報社会に住んでいる私たちは、何でも知っていると信じていながら実は何も知らないのではないかという不安に変わってくる。
尖閣諸島事件で勇気ある情報公開がなければ、私たちは今も真相を知らないまま「中国と国交断絶しろ!」と拳を振り上げていたかもしれない。
私たちゴルフ好きは今も「小遣や年金で毎日ゴルフができたらなぁ」と夢を見続けている。欧米豪州カナダでは1000円前後でゴルフができるのに、何で日本では10倍もするンだろう。素朴な疑問を持つ人はまだいい方で、ほとんどの人は疑問すら持たない。つまり情報鎖国社会に住む私たちは世界の真相を知らされていないから、日本の現状を世界の姿と思い込んでいる。極東の島国に住む私たちは案外、世界の真相を知らされたくないのではないか。
ではゴルフ開国を叫ぶとどうなるだろう。TPPと同じように猛烈に反対する人たちが出てくるだろうか。「自由化反対!日本のゴルフ場を守れ」「合理化反対!ゴルフ場の雇用を守れ」「値下げ反対!プレーの安全を守れ」実にもっともらしい口実の反対運動が次から次へと沸き起こりそうな気がしてきた。小遣いや年金で毎日ゴルフができたらというささやかな夢は諸外国では当たり前でも、まだ日本では危険思想なのだろうか。
吉田松陰も坂本竜馬も外国に行ってみたいというささやかな夢を抱いて命を落とした。あれから140年も経ったから、もうそんなことは起きないだろうと思うが、歴史は繰り返すともいうから気をつけないと何が起きるか分からない。さすがに海外渡航は自由になったから、開国を叫んで命を落とすくらいなら、格安便を使って『海外ゴルフ三昧旅行』にでも出掛ける方が安全で安上がりかもしれない。
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